この度、千葉県最南部で活動しているネコ保護団体のボランティアさんからメールにて「さくら猫」についてご相談を頂きました。
K様からのご相談
さくら猫の活動報告とご相談をさせてください。
子猫を棄てる人が後をたたず、保護する側を誹謗中傷する事態が起きています。
猫嫌いの集団が、排除を求め保健所へ相談に来たそうです。殺処分の要請は、さくら猫と野良猫です。
さくら猫のその後を責任とれ!というような問題が起きると考えませんでした。猫を助けるな!との声も。とても世知辛いです。さくら猫の譲渡・里親探しをしている団体樣がいらしたら、ご紹介お願いします。私は殺処分には反対しています。さくら猫を処分されないように保健所と話し合いをして、ストップかけています。今後、飼い主を探す予定です。
これらのさくら猫の問題、全国ではどうでしょうか。
何かしら名案はないでしょうか。
ご意見を伺いたいです。よろしくお願いいたします
ご相談に関する感想
このメールを拝見して住民の方、行政の職員さんは地域猫活動の基本、TNRがどのようなものなのかをあまり理解してない印象を頂きました。
TNRとは
Trap: 捕獲器などで野良ネコを捕獲
Neuter: 避妊去勢手術
Return: ネコをもといた場所に戻すこと
何よりもTNRを正しく説明し、理解してもらうことが大切ですね。
まず、住民の方々はなぜネコが不妊してあるにも関わらずネコを嫌うのでしょうか?当初はすぐに個体数が減るわけではないので相も変わらずフン害など、鳴き声がやまないからでしょうか?どこの行政窓口にもフン害、鳴き声がうるさい、子猫が生まれたなどの苦情が寄せられ困っています。
これらの苦情に対して効果的な対処策を考え、成功した実例の一つが「三重県動物愛護推進センターあすまいる」です。「三重県動物愛護推進センターあすまいる」では、野良ネコの昔からよくある苦情を解決するには避妊去勢手術しかないとの結論を出しました。これは人道的に個体数が手術による繁殖制限で減るのは当たり前のことです。残念なことに未だ行政が積極的に安く安全に避妊去勢手術ができる施策を打ち出さない市町村が多いのが現状です。あすまいるでは野良ネコは外で生きるには過酷な環境で3年前後くらいしか生きられないこと、また手術をすれば一代限りの命になるので時間とともに個体が減っていくことで苦情も無くなるということを根気よく住民に説得してまわりました。結果それが功を奏し、苦情も減りまた殺処分も減ってきたとのことです。熱意のある職員さんの中立的な立場は大きく、役割も大きいことを学びました。
これらの前提として野良犬ネコが無料ないし安く避妊去勢手術ができることが必須で最重要課題です。その解決策としてあすまいるは一般公益社団法人どうぶつ基金の行政枠を使い提携し、年間数百匹の野良ネコの手術を可能にしました。これにより野良犬ネコの苦情も減り、職員の仕事への意欲、満足度もあがり、職員である獣医が多数の手術現場に参加することで技術も磨かれる機会を得ました。その恩恵は野良犬ネコに還元されることと願っております。
行政、ボランティアと住民の方々が三位一体になるのが野良犬ネコ問題を成功に導くカギだと思ってます。
全国で厳しい環境、条件の中苦労されているボランティアさんに感謝申し上げます。
- MISSION STATEMENT
To lead the way toward a compassionate and caring community for all animals. - OUR VISION
Companion animals reside in loving homes. Communities respectfully coexist with wildlife.