今回は以前のブログ「オミクロン株を甘く見ないで」でもご紹介致しました、アメリカ在住獣医師の西山ゆう子先生のFacebookの投稿を共有させて頂きます。
以下本文
コロナの治療目的で、未認証薬としてイベルメクチンが簡単に入手でき、自己責任で服用できると知り、驚いた。
人間にMDR1 はないの?犬であるんだから、あっても不思議じゃないよね。普通量、規定量を投与しても起こる、痙攣、震え、脳症状、歩行困難。。。
今は遺伝子検査で事前検査できる時代になったけど、昔はイベルメクチンを投与し、症状が出て初めて、MDR1だと判明したよね。。。あの恐ろしい経験はもういらない。
現在は安全でいい薬が、他にもたくさん出ているので心配ない。でも昔は、線虫系の寄生虫駆除や、疥癬やアカラスの治療に、イベルメクチンが必要だった。私はかなり慎重なほうで、通常量の20分の1量から始めるけど、それでもたった1回の服用で痙攣して死んでいった犬のことが今でも忘れられない。コリーじゃなく、普通の柴犬系の雑種だった。
今では、どうしてもイベルメクチン系の薬を処方する場合は、MDR1の遺伝子検査を事前に行うし、正しく使えば恐れる必要がないものになった。
イベルメクチンは処方箋でなくてはならない。
どういう薬で、どういう副作用があり、感受性が非常に高くて使用が危険な遺伝子グループが存在することを、ちゃんと理解していなくてはならない。
個人が通販で入手できるものであってはならない。昔、イベルメクチンを使わなくてはいけない時代に、そしてMDR1の遺伝子検査がなかった時代に、たくさん処方するしかなかったいち獣医師としての、痛切な願いだ。